けさぱさ!〜バンドマン辞めました〜

バンドマンに群がる女の子たちの駆け込み寺

ストーカー対策に正解なんてないんだから被害者を責めるのはもう辞めてくれよ

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女子大生がストーカーに刺された事件を受けて
前回、勢いだけでこんな記事を書いてしまいました。

www.kesa-pasa.com


事件から日がたつにつれ、様々な場所で
「こうすればよかったのに」
という意見を多く目にするようになりました。

でも、その言葉は、ワタシにとって、
「こうすればよかったのに、しなかったから刺された
と、被害者を責めているようにも感じられました

と、いうのも、実はワタシもバンド活動をしていた時に怖い想いをし、
その時の周りの言葉で深く傷ついた経験があるからです。


いくら女が自衛をしても無駄だっていうお話

メンバー全員が認めるいいお客さん


その人はいつもライブに遊びに来てくれる常連客でした。
三浦春馬をタテに潰したような顔立ちをしていたので
目を細めて逆立ちをしてみればイケメンにも見えるような気がします。

タテ春馬は、ライブに来るたびに「差し入れ」と称しては
メンバー全員に煙草やスイーツ、お酒などを買ってきてくれました。

「ライブに来てくれるだけで嬉しいから毎回そんなに気遣わなくていいよ」

と、断ったりもしたのですが

「たった2千円で楽しませて貰ってるのが申し訳ないんだよ(笑)そっちこそ気遣わないで受け取ってやー」

と、フランクに答えてくれていたので、その言葉に甘えていました。

彼にように差し入れをくれる人はいても、
他のお客さんは、メンバー全員ではなく、
特定の誰か1人だけにあげる人が多かったので、
このように全員に差し入れをくれるお客さんはとても珍しく感じました。
そして、ワタシ以外のメンバーは全員男性だった事からも
疑似恋愛をしにライブハウスに来ているお客さんとは違うように思えました。

故に、メンバー全員、タテ春馬の事はただのいい人だと思っていました。

打ち上げ初参加


ある日、うちのバンドのリーダーが

「タテ春馬さんはライブに毎回遊びに来てくれるし、グッズもたくさん買ってくれる。
それだけじゃなくて、差し入れも数えきれないほど貰ってる。
今度のライブは、感謝の気持ちも込めて、打ち上げにタテ春馬さんの事も呼んであげたいんだけど、どう?」

と、言いました。
もちろん、メンバー全員それに賛成しました。

ライブが終わり、打ち上げ会場の居酒屋では

「皆さんと一緒に居酒屋にいるなんて、非日常感がすごいっすね!」

と、タテ春馬さんはとても楽しそうにビールを何杯も頼んでいました。

お酒も進んだ頃です。うちのメンバーがふざけて

「いやー、けさぱさ、嫁の貰い手がいなくて困ってるんですよー。タテ春馬さん、貰ってやってくれないっすかー?」

と発言。

ワタシもそれに対し

「やめてよー!タテ春馬さんにも選ぶ権利あるからー!」

と、ノリノリで答えました。


これがよくなかったのかもしれません。


打ち上げが終わった次の日、突然

「貰ってあげるよ」

と、タテ春馬からヒトコトだけTwitterのダイレクトメッセージが届きました。

昨日の会話を忘れていたワタシが何事かと訪ねると

「昨日の話!
嫁に貰ってあげるよ

との返信。

若干の気持ち悪さを感じつつも

「その話か(笑)また皆で飲もうねー!」

と答えたところ、それに対してタテ春馬からの返信はありませんでした。

ほらね。返信ないってことは冗談だ。
いつも応援してくれてるのに気持ち悪いって思ってごめんなさい。

と、DMの事も忘れて次のライブにのぞみました。

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いつもと違う贈り物


ライブにはいつものようにタテ春馬が遊びに来ていました。
ただ、手には、ティファニーの紙袋を持っています


「これ、けさぱささんに、似合うと思って」

と、紙袋を差し出されたワタシ。

「こんな立派な紙袋に煙草とか入れてるんでしょ~」

と笑いながら紙袋の中をのぞくと、そこには立派な箱が…

なんと、その箱の中には、
大学生男子が恋人に贈る定番のアクセサリー
ティファニーのオープンハート
が入っていました。

一瞬で鳥肌です。


「嫁の貰い手いないんでしょ。いつでも貰ってあげるからさ。


そう言われた瞬間、背筋が凍りました。

頭がパニックになりつつも

「もう、やだなー、タテ春馬さんって、ほんっと優しいよねー
いざとなったら結婚相談所に登録するしさー
あー、もう、なーんでそんな優しいのかなー、ってか
前から言ってるけど来てくれるだけでワタシ達は本当に嬉しいんだよー
あー、もうっ、ほんっと優しいよねー
こんな高価で素敵なアクセサリー貰うなんて申し訳ないよー
だから気持ちだけ受け取らせてねー、ありがとうー、あははー
ほんっと優しいねー、もうー」

という事をベラベラと話し、無理矢理、タテ春馬に紙袋を押しつけ
その日は楽屋に引きこもりました。

Twitterダイレクトメッセージ攻撃


その日を境に、クソ春馬からは大量のDMが届くようになりました。

「ティファニー嫌いだった?」「けさぱささんは照れ屋なんだねw」
「ツンデレキャラに路線変更かー?」「今なにしてるの?」
「今度は2人で飲みに行こうね」「忙しいのかな?」「今日もCD聴いてるよー」

ワタシはそれを全部無視していました。
Twitter自体も、怖くて全くつぶやけなくなりました。

ライブの日になると、絶対に、クソ春馬は遊びに来てしまう。
メンバーにDMを見せ、対バンの人たちにも事情を話し、
出番以外の時間も楽屋にこもらせてもらう事にしました。

嫌でもステージにあがればクソ春馬の姿がみえます。
ワタシは気持ち悪さで吐きそうになりながらもライブをやりとげました。

終わって楽屋で携帯を開くと、
案の定、クソ春馬からは何通もDMが届いていました。

「フロアにいないよー?」「体調悪いの?」
「もしかして避けられてる?」

もうやめて!

どうしてこうなったの?いい人だったじゃん。
それとも最初からこんな人だったの?
ワタシが彼を変な風にしちゃったの?
あのときティファニーを受け取ってたらよかったの?
でも受け取ってたら何かのキッカケで逆恨みされてたかもしれない。
それに突然こんな風になっちゃった人だよ。
また豹変して今度は暴力的になるかもしれない。
いや、打ち上げに呼んだ時点でもう間違いだったんだ。
なんで。なんで。いい人だったじゃん。
みんなもそう思ってたんだよ。ワタシだけじゃないよ。
どうして。どうして。

クソ春馬、襲来


毎日、毎日、DMが届きます。
Twitterをブロックする事も勇気が出なくてできませんでした。

そして、ついに、クソ春馬からは

「いま○○駅の××の前にいるから、時間ができたら話したいなー」

というDMが届きました。

○○駅はワタシの最寄り駅です。
日頃、ワタシやメンバーが「○○でミーティング飲み~」とかツイートしていたせいで
クソ春馬はその駅に来てしまったのです。

どうしたらいいのかわからない。警察?
でも、昔、毎回おなじ車に後をつけられて警察に相談した事があったけれど
接触がないからと全くチカラになってくれなかったどころか
「パトロール強化するからこのくらいで通報しないで」というような事を遠回しに言われて
すごく嫌な想いをした経験がある。警察はアテにならない。

それに、本当に来てるのかな?嘘かもしれない!

ワタシは、いつも○○駅の前でキャッチをしている黒服さんに知り合いがいたので
その人に連絡をし、駅にクソ春馬がいるかどうか確認をしてもらいました。

結果、クソ春馬は実際に駅にいました。

そして、様々な問題があるので詳細は省きますが、
黒服さんの協力の元、その日からクソ春馬のDM攻撃はなくなり
ライブにもクソ春馬は遊びに来なくなりました。

二次被害


クソ春馬の事で悩んでいた時、周りからは

「男を勘違いさせちゃ駄目だよ」

とよく言われました。

言われるたびに

そんな事わかってるよ、
だから、どんなお客さんが相手でも、
個人の携帯番号だって教えてなかったし、LINEのIDだって教えてない、
それに、クソ春馬はメンバー全員が認めるいい人だった、
こんな事になるなんて想像すらしてなかった、
メンバーの発した「嫁の貰い手」発言も飲みの席での冗談だったし、
バンド上でのワタシはまさにそういう系の女の子を演じていたから、
キャラ設定上そういう発言からは逃れられない、
じゃあ、もっと上手くワタシが発言を返せてたらよかったのかな、
でもそんなすぐいい切り返しなんて思いつかないよ、
そんなに頭よくないよ、
この状況でどうしたらよかったのか、それなら教えてよ、

と、思っていましたが、そう言っても
新たな「忠告」が出てきてワタシが責められるんだ、と、思ったら
いちいち言い返す気にはなれませんでした。

「ブロックしないから相手も拒絶じゃないと思ってDM送っちゃうんだよ!」
「プレゼント受け取らなかったからじゃん?」

当時、そんな事も言われました。

でも、今回起きた女子大生のストーカー事件の被害者の女の子は
ストーカーからのTwitterをブロックしてましたし
プレゼントも一度は受け取っていました。

もはや自衛に正解などない


「DM返信すればいいじゃん」「無視されてたから躍起になってただけだよ」
「本気で好きだったんだろうからちゃんと断ってあげればよかったのに」
「ハッキリしないから駄目なんだよ!中途半端!ハッキリすればよかったのに」

多くの「こうすればよかったのに」の、言葉に深く傷ついたワタシは
周りに相談する事をやめました。

もしあなたの周りにストーカー被害で困っている女性がいたら、
どうか、こういった言葉を投げかけるのは辞めてあげてください。

本人は「どうすればよかったのか」なんて事は、何百回も考えています。

女子大生の女の子が目覚めてから周りの声で傷ついてしまわないか、
ワタシは今からとても心配です。